診療科・部門

産婦人科病棟

B2病棟(急性期病棟)

母と子の安全と幸せを願いながら、スタッフ一丸となってお産をサポートしています。

B2病棟は、平成12年10月に産婦人科病棟としてスタートしました。妊娠中から産後まで、母と子に寄り添いながら、医師、助産師、看護師などスタッフ一丸となって、サポートを行っています。お産は安全が第一だという考えのもと、妊婦さんが不安に思っていることや気がかりなことなど、体だけでなく心の部分もケアすることを大切にしています。

当院の産婦人科では基本的に自然分娩、医学的な処置は必要最小限にすること、母乳育児の推進をしているので、その方針を大切にしています。また、妊婦さんにはバースプラン(希望の出産計画)を作っていただき、そのプランを重視した出産を行います。例えば、フリースタイル出産もその一つです。仰向けで分娩台に固定されて出産することは決して女性にとって楽な格好ではありません。本人が楽な姿勢で出産できるのも私達の特徴です。

また、出産後のサポートも充実させています。産後5日目には電話訪問をして経過を確認するだけでなく、24時間体制で育児相談も受け付けていますので、気軽にご相談ください。

当病棟では、母と子の命を預かる責任を感じながら、全ての親子が幸せになれるようにと願いながら、ケアを行っています。

産科の特徴

当院は産む人の力を最大限に発揮できるようなケアを目標にしており、満足のいく出産が楽しい子育てへの第1歩につながるようにと考え、妊娠中からお産後まで助産師を中心としたきめ細やかなケアをおこなっています。お産は自然分娩をモットーに、医学的な処置は必要のない限りなるべくおこなわないようにしています(浣腸やていもうなど)。

お産で入院した際は、 LDR で家族と過ごしていただき、家庭にいるような雰囲気でお産を迎えることができます。もちろん、家族の立会いもお勧めしています。小さなお姉ちゃんやお兄ちゃんのかわいらしい励ましに、スタッフもいつも元気をもらっています。自由な姿勢で出産する フリースタイル出産 も行っています。

当院は母乳育児を推進しており、WHO/ユニセフの「母乳育児を成功させるための10か条」 に準じたケアを目指しています。母乳育児支援の国際資格である「国際認定ラクテーション・コンサルタント」 を持つスタッフが産婦人科医師、助産師におり、母乳育児のスタートから卒乳までお手伝いいたします。赤ちゃんとの生活に慣れるように、入院中は助産師を中心にお手伝いしていきます。

当院でお産される方へ

当院の分娩は予約制です。妊娠が分かったら予定の月経から3週間以内には受診してください。
当院の健診スケジュールへ

当院では病院の体制上、重篤な合併症のある方、多胎(ふたご、みつご)などリスクの高い方の分娩は取り扱っておりません。高次医療機関に紹介となります。リスクについてよくわからない場合には、外来を受診して、医師とご相談ください。厚生省班研究のリスクスコアはご自身がのリスクが高いか低いかを確認するのに便利です。

当院では基本は自然分娩です。しかし安全上の理由から、骨盤位の経腟分娩や帝王切開後の経腟分娩は取り扱っておりません。当院では帝王切開となります。経腟分娩ご希望の場合は高次医療機関に紹介となります。また、陣痛促進剤を理由もなく使用することはもちろんありませんが、医学的に必要な場合に限って同意の上使用しています。無痛分娩は取り扱っていません。

妊娠、出産はリスクの低い方にも突然思いがけない合併症が起きることがあります。その場合に高次医療機関への転院が突然必要になることもあります。茨城県の周産期搬送システムにより、お母さんは主に土浦協同病院に、 赤ちゃんは土浦協同病院や筑波大学付属病院に搬送になります。

新しい家族の訪れを無事迎えられるように、とスタッフ一丸で診療にあたっています。妊婦さんやご家族も体に気をつけて、 特に必ず禁煙を!どうしてもやめられない場合は いつでも相談してください。

母乳育児成功のための10か条(WHO/UNICEF)

当院は母乳育児を推進しており、WHO/ユニセフの「母乳育児を成功させるための10か条」 に準じたケアを目指しています。母乳育児支援の国際資格である「国際認定ラクテーション・コンサルタント」 を持つスタッフが産婦人科医師、助産師におり、母乳育児のスタートから卒乳までお手伝いいたします。

この10か条は、お母さんが赤ちゃんを母乳で育てられるよう、産科施設とそこで働く職員が実行すべきことを具体的に示したものです。

  • 1.母乳育児推進の方針を文書にして、すべての関係職員がいつでも確認できるようにしましょう。
  • 2.この方針を実施するうえで必要な知識と技術をすべての関係職員に指導しましょう。
  • 3.すべての妊婦さんに母乳で育てる利点とその方法を教えましょう。
  • 4.お母さんを助けて、分娩後30分以内に赤ちゃんに母乳をあげられるようにしましょう。
  • 5.母乳の飲ませ方を実地に指導しましょう。もし赤ちゃんをお母さんから離して収容しなければならない場合にも、お母さんに母乳の分泌維持の方法を教えましょう。
  • 6.医学的に必要でないかぎり、新生児には母乳以外の栄養や水分を与えないようにしましょう。
  • 7.お母さんと赤ちゃんが一緒にいられるように、終日、母子同室を実施しましょう。
  • 8.赤ちゃんが欲しがるときは、いつでもお母さんが母乳を飲ませてあげられるようにしましょう。
  • 9.母乳で育てている赤ちゃんにゴムの乳首やおしゃぶりを与えないようにしましょう。
  • 10.母乳で育てるお母さんのための支援グループ作りを助け、お母さんが退院するときにそれらのグループを紹介しましょう。

どうして母乳がいいの?

感染から赤ちゃんを守ります!

母乳の中には感染を妨げる因子がたくさん含まれています(免疫グロブリンや生きた免疫細胞、ラクトフェリン、その他)。人工栄養の赤ちゃんと比べて感染症にかかりにくく、かかっても早く治ります。赤ちゃんにとってこの世に生まれて最初の予防接種のような意味があります。感染予防効果は初乳以降も何年も続きます。

赤ちゃんに合わせて変化します!

月齢とともに母乳は変化し続けます。1回の授乳でも、はじめはさっぱりした味で赤ちゃんの渇きをいやし、最後は脂肪分が増えてこってりした味で満腹感を出すといわれています。赤ちゃんのためのオーダーメイドです。人工乳だといつも 同じ味、同じ成分です。

アレルギーから赤ちゃんを守ります!

人工乳は牛乳、大豆からできているので、異種タンパクによるアレルギーの危険があります。特に生まれて早い時期に使えば使うほど危険が高くなるといわれています。母乳のみで育つと喘息などのアレルギー疾患のリスクが低くなります。

赤ちゃんにいいことがたくさんあります!
  • ・乳児突然死の危険がすくない
  • ・糖尿病、肥満、小児がん(白血病、リンパ腫)になりにくい
  • ・神経発達に重要。 母乳で育つとより知能が高い、と報告
  • ・将来のメタボリック症候群の予防
ママにもいいことがいろいろあります!!
  • ・子宮が早くもどり、出血も早く止まります
  • ・妊娠中についた脂肪がどんどんとれて自然にダイエットできます
  • ・排卵がおさえられ避妊効果が
  • ・乳癌、卵巣癌の予防
  • ・骨粗しょう症や糖尿病、関節リウマチ、高血圧、高脂肪、心血管系疾患の予防
  • ・産後うつ病になりにくいと報告
  • ・夜中の授乳が楽チン
他にもいいことがたくさん!!
  • ・人工乳、哺乳瓶、調乳用品がいらない
  • ・ママも赤ちゃんも病気しにくいので、医療費も節約!
  • ・働くママの欠勤が減る
  • ・環境にもやさしい(ごみが出ない、お湯を沸かす燃料がいらない、人工乳は流通にもエネルギー必要)
  • ・災害などのときに手に入らなくなる心配がない
※参考文献
  • 1. UNICEF/WHO母乳育児支援ガイド医学書院2009
  • 2. American Academy of Pediatrics,Section on Breastfeeding.Breastfeeding and the use of human milk. Pediatrics,115(2):496-506.2005.(日本語訳)「母乳と母乳育児に関する方針宣言」2005年改訂版. アメリカ小児科学会、母乳育児部会. http://www.jalc-net.jp/dl/AAP2009-2.pdf(2011年4月10日検索)

母乳で育てるにはどうしたらいいの?

母乳はでる人とでない人がいると思われてますが、そうではありません。母乳で育てるためにはいくつかのポイントがあるので、それを守ればほとんどの人が母乳で育てることができます。

母乳で育てる!と決める!

妊娠中からあなたの周りの赤ちゃんにかかわるすべての人と、赤ちゃんの栄養法について話し合いましょう。母乳で育てたいことを伝えておきましょう。

お産直後から赤ちゃんと一緒になってどんどん授乳する

早く授乳するほど早く出てきます。赤ちゃんが欲しがったらどんどん授乳することで、母乳が出るようになります。作られた母乳がしっかり飲みとられないと新しいものが作られないので、適切な抱き方や乳首のくわえさせ方が大切です。

妊娠中から授乳のイメージ作りをする

母乳育児をしている知り合いの話を聞いたり、授乳を見学したりもいいですね。人形をつかって抱き方や含ませ方の練習もできます。

不必要な人工乳をあげない

赤ちゃんはおっぱいがたくさん出はじめるまでの3日間のお弁当と水筒をもってうまれてくる、といわれるように、おっぱいをしっかり飲みとっていれば、その他の水分を与えなくても脱水にはなりません。むしろ生後早期から哺乳瓶で人工乳を与えると、母乳で育てる妨げになるといわれてます。

困ったときの相談先をみつける

母乳育児は長丁場。困ったときや悩んだときに気軽に相談できるとうんと楽に続けられます。当院では母乳育児のあらゆる悩みやトラブルに対応できます。 (国際認定ラクテーション・コンサルタントという母乳育児の専門家が産婦人科医・助産師にいます)母乳で育てているお母さん同士のつながりは大きな助けになります。

※参考文献
  • 1. International Lactation Consultant Association/日本ラクテーション・コンサルタント協会訳、生後14日間の母乳育児援助.エビデンスに基づくガイドライン.日本ラクテーション・コンサルタント協会、2003

母乳で育てるのに参考になるものあるかしら?

妊娠中から参考になる本を読んだり、インターネットのサイトを見たりしてみてもいいですね。以下の本は外来の待合室にも置いてあります。

改訂版だれでもできる母乳育児

ラ・レーチェ・リーグ・インターナショナル
メディカ出版 2,400円

世界的な母乳育児の支援団体である「ラ・レーチェ・リーグ」による本です。母乳育児の経験者ならではの視点で、妊娠中から卒乳までの具体的なアドバイスがいっぱいです。

新・母乳育児なんでもQ&A

日本母乳の会 編 1,300円

母乳育児中の様々な悩みにQ&A形式で答えます。
写真や絵も多く読みやすい本です。

母乳のほうが楽だった?!おっぱいでらくらくすくすく育児

金森あかね、北野万寿美 著
メディカ出版 1,400円

国際ラクテーション・コンサルタントによる母乳育児の本。
気軽に読めます。

母乳育児のすべて お母さんになるあなたへ

米国小児科学会 編
メディカ出版 2,600円

最新の医学研究と豊かな経験の蓄積にもとづいて、 母乳で子どもを育てるために必要な知識とコツをきめこまやかに 示した信頼の1冊。

ラ・レーチェ・リーグ日本

https://llljapan.org

日本ラクテーション・コンサルタント協会

https://www.jalc-net.jp

母乳育児支援ネットワーク

https://bonyuikuji.net

フリースタイル出産

出産というと「仰向けで分娩台に固定されて」というイメージの方が多いのではないでしょうか?この姿勢では医療者は管理しやすいのですが、産む女性にとって決して楽ではないし、生理的でもありません。

出産のケアについて科学的な根拠を吟味したうえでWHOが発行した「正常出産のケアの実践ガイド」(1996)では「出産のはじめから終わりまで、姿勢と動きを自由にすること」「出産中、あおむけ以外の姿勢をすすめること」 が、「明らかに有効で役に立つ、推奨される べきこと」となっており、「出産中、慣例的に砕石位 (あおむけで足を開く姿勢)を取ること」は「明らかに害があるのでやめるべきこと」となっています。

お産の経過中に上体を起こした姿勢または上半身を上げた姿勢が、あおむけに寝る姿勢よりも産婦さんがより快適であるといわれています。陣痛時の不快感が減り、いきみやすくなり、痛みもやわらぎ、お産の時間が短くなります。

当院では産む女性がすごしやすい姿勢での出産をお手伝いしています。(ただし、医学的に介入が必要な場合は仰向きになっていただいています。)

※参考文献
  • 1. WHO勧告にみる望ましい周産期ケアとその根拠.Marsden Wagner/井上裕美・河合蘭監訳.メディカ出版、2002

出産準備クラス

マザークラス

妊婦さん同士でいろいろお話してみませんか?初めての出産の方は、ぜひご参加ください。ご主人やご家族の方の参加も歓迎します。

申込み時期 妊娠14週ごろから
開講
中期クラス(妊娠20週前後:予定月の4ヶ月前) 第2金曜日 13:30~15:30
  • ・妊娠中の過ごし方と起こりやすい異常
  • ・妊娠中の栄養・歯のお手入れ
  • ・妊娠中の心と体
  • ・おっぱいの手入れ
  • ・何を準備したらいいの?(出産準備品)
  • ・腹式呼吸と簡単ストレッチ
  • ・自己紹介……担当の助産師と皆さん
後期クラス(妊娠28週前後:予定月の2ヶ月前) 第3金曜日 13:30~15:30
  • ・お産の経過
  • ・“お産”のビデオ
  • ・お産のときの過ごし方
  • ・心と体の準備
  • ・赤ちゃんの心と体
  • ・おっぱいのお手入れ
  • ・入院中のスケジュールと産後の生活
  • ・自己紹介……担当の助産師と皆さん
  • ・院内見学

中期・後期クラスとも、ご主人様も参加できます。 予約時またはお電話でお申し込みください。

受講料 500円(税込) 申し込み:B館2階 産婦人科病棟
ペアクラス

ご主人様にもお産や育児について理解してほしいという方のための、パートナーといっしょに参加する後期クラスです。

申込み時期 妊娠中期クラスの予約時、もしくは、後期クラス予約後にペアクラスに変更してください。
開講

第1土曜日
10:00~12:30(予定月の2ヶ月前)又は
13:30~15:30(予定月の2ヶ月前)

後期クラスとほぼ同じプログラムですが、ご主人様の妊婦体験ができます。

受講料 500円(税込)/1ペア 申し込み:B館2階 産婦人科病棟
※先着15組の方とさせていただきます。

ふれあいクラス

当院では、生後3~4ヶ月の赤ちゃんを対象にインファント・マッサージクラス(ベビーマッサージ)を 行っております。赤ちゃんのマッサージは、心と体の成長を助けるだけでなく、母と子のハートコミュニケーションとなります。赤ちゃんと触れ合いながら、みんなでお話しましょう。

日時 1ヶ月健診受診時にご案内があります。
場所 D館1階多目的室
持ち物 母子手帳、筆記用具、オムツ、着替え、バスタオル1枚(座布団の上に敷きます)、タオル(オムツ代わりにします)、ミルクの方は、ミルク一式(お白湯は準備いたします)
受講料 500円(税込)

病棟内写真

ナースステーション
デイルーム
LDR室
LDR室
廊下
お部屋
お食事
お食事

沐浴練習

赤ちゃんの沐浴の練習風景です。もちろんパパもできます!

退院お土産

5種類の中から、選んでいただけます。

アルバム(ベビーメッセージ)

出産から生後一年まで成長が刻めます。

おくるみ

ワッフル生地の薄手で柔らかい素材!

授乳クッション

おすわりの練習やお昼寝タイムにも!薄いピンク色。

授乳用ブラジャー

新生児への授乳をリラックスして快適に。

エプロン トーイセット

お遊びと食事の友に!

電話訪問と電話相談

退院数日後、助産師より、お電話訪問させていただきます。又、24時間体制で、電話相談をお受けしております。

退院後の来所相談と母乳外来

1ヶ月健診までの助産師による相談は、無料で行っております。気軽に赤ちゃんの体重測定や母乳相談等に来院して下さい。又、随時、母乳相談や育児相談等を行っております。(1回/2,000円)

婦人科の特徴

女性が生涯を通じて自分らしく輝き続けられるよう、あらゆる相談に対応いたします。

良性疾患子宮筋腫、子宮腺筋症、卵巣のう腫、子宮内膜症など その方のライフスタイルや考え方に合わせた治療が選択できるように、保存的治療(薬物療法など)から手術療法(開腹・腹腔鏡下手術)まで対応しています。
また、子宮筋腫は放射線科専門医師の協力で、子宮動脈塞栓術(UAE)を行っています。
子宮頸部細胞診異常 子宮頸癌検診で異常を指摘された場合、子宮頸部を拡大鏡で観察するコルポスコピー検査を行っています。最も病変が強い部分の組織を採取してより詳しく検査を行います。円錐切除術も対応しています。
月経異常月経困難症、過多月経、月経前症候群、月経不順など 漢方薬や低用量ピルなど様々な選択肢があります。
更年期障害 症状に合わせて漢方薬治療やホルモン補充療法等を行っています。
骨盤臓器脱 ペッサリー治療を主に行なっています。手術は周辺の専門機関にご紹介しております。
緊急避妊 自費診療
避妊相談・月経移動 自費診療
HPVワクチン 子宮頸癌予防ワクチン
不妊相談 人工授精(AIH)を含めた、高度な不妊治療は周辺の専門機関にご紹介しております。
悪性疾患子宮体癌、子宮頸癌、卵巣癌など 診断までは当院で対応しますが、浸潤がんの治療に関しては、腫瘍専門病院へご紹介しております。

専門外来

婦人科漢方外来完全予約制 女性の冷えや月経トラブル、更年期障害などに対して漢方に詳しい医師が治療を行う専門外来です。
性相談外来完全予約制・自由診療 なかなか他人には相談しにくい性についての悩みに対応しています。日本性科学学会認定セックス・セラピストの資格を持つ女性医師が担当しています。