医療機器を安全に使用できるように、医学の研鑽、技術の練磨、知識と経験の習熟に努めます。
現在の高度化した医療機器のスペシャリストである臨床工学技士が在籍しているのが、2002年4月に開設された臨床工学科です。臨床工学技士は、医療機器の保守点検や機器の操作を行うことで、患者さんに安全な治療を提供しています。当院では医療機器管理システムであるHOSMAを2021年に導入し、各科で管理している機器、合わせて約1700台を一括管理し、安全に使用できるように貸し出し、点検、修理、購入、廃棄を行っています。
現在、疾患を検査、治療するときに医療機器は欠かせないものになっています。例えば、透析や手術などのときに患者さんの状態をリアルタイムで確認するだけでなく、検査したデータを管理するのにも医療機器は重要な役割を果たしています。その医療機器の中央管理を行い、使用状況と修理履歴の把握、安全性と信頼性の確保、合理的運用を行っています。加えて、医療機器の操作について院内教育を行うこと、各診療科との連携を図り、高度な臨床技術の提供に努めることを目標にしています。
医療機器を通じて、安心、安全な医療を患者さんに提供していくことだけでなく、医学の研鑽、技術の練磨、知識と経験の習熟を常に意識しながら業務を行っています。
血液浄化療法業務
腎センターでは看護師との連携により、臨床業務に携わっています。維持透析、急性腎不全などに対し透析を行っており、全81床の装置がOHDFに対応しています。主にHD、HDF、OHDF、リクセル等の各種吸着法や処方透析などを施行しています。 また、治療の管理は透析通信システムを採用しており、透析中のデータや検査データを電子カルテとの連携で管理しています。また、週一度透析液変更者、HDF施行患者や透析効率などのカンファレンスや装置故障時の緊急対応訓練を行っています。
血液浄化療法に関する臨床工学技士の主な業務
- 1. プライミング、穿刺、返血
- 2. 臨床中の装置点検
- 3. 透析液浸透圧、電解質の測定
- 4. 定期血液ガスの測定
- 5. 透析通信システム(Future Net Web)の管理及び運用
- 6. 浸透圧計、血ガス計、電解質計、透析装置のメンテナンスやオーバーホール
- 7. VAIVT、長期カテーテル留置術
- 8. 超音波エコーを用いたVA管理
透析通信システム FNW
多用途透析装置 DCS-100NX
生物発光式エンドトキシン計
ルミニッツET BLA-01
多用途透析装置 DCS-200Si
血液浄化装置 TR-2020
超音波診断装置 Venue Go R3A
手術室業務
手術室全体及び中央材料室の購入、点検、修理、保守契約等の機器管理を行っております。常時一名以上のCEが配置され医療機器のトラブル発生時の対応を行っており、安全に手術が行えるよう努めています。
手術室に関する臨床工学技士の主な業務
- 1. 手術室内のアウトレット配管の管理
- 2. 手洗い用水、無影灯照度、手術室内の空気清浄度の管理
- 3. 全身麻酔器、内視鏡システムの手術中の動作点検
- 4. ESWL等の泌尿器科手術や眼科手術中等の装置操作
- 5. 医療機器の保守管理、修理対応
- 6. 手術中の医療機器トラブル対応
体外式結石破砕装置 SIMT148
手術用顕微鏡 MKC-500HC
眼科用手術装置
CENTURION(右) constellation(左)
内視鏡システム VISERA ELITEⅡ
麻酔器システム エスパイアView
心臓カテーテル業務
心臓カテーテル検査室では医師、看護師、放射線技師、臨床工学技士が業務を行っています。内容は主に心室・冠動脈造影、PCI、EVT、ペースメーカーの植え込みが行なわれています。また外来でのペースメーカー管理を行っています。
心臓カテーテルに関する臨床工学技士の主な業務
- 1. ポリグラフの操作として、心内圧・血管内圧測定・心拍出量 の記録
- 2. 造影剤など検査に使用する薬剤の準備 や造影剤注入器の準備
- 3. 治療中のデバイス、器材、物品出しなどの外回り業務
- 4. 治療中の心電図・血圧・心内圧波形の監視
- 5. IVUS(血管内超音波)のデータ入力・操作・記録
- 6. 清潔野での術者の直接介助業務
- 7. ペースメーカーチェック、月1回の外来診療
他に体外式ペースメーカー、除細動器、IABPの管理・点検も行っています。
循環器用超音波画像診断装置
Overview
ポリグラフ RMC-4000
大動脈バルーンパンピング CS300
血管造影用インジェクター ACIST CVi
クロッサーシステム
ロータブレーターPro
医療機器管理業務
当院では、医療機器管理システム(HOSMA)を2021年に導入し、約1700台の医療機器を中央管理しています。様々な医療機器に関わる業務を遂行し、医療機器を安全に使用できるよう日々業務に努めています。
医療機器管理に関する臨床工学技士の主な業務
- 1. 医療機器の貸出・点検・修理・購入・破棄
- 2. 人工呼吸器の使用中点検・医師指示の下、ウィーニングの実施
- 3. 院内スタッフ向けの医療機器勉強会実施・医療機器に関する医療安全対策の検討
輸液ポンプ TE-131A
輸液ポンプ FP-N17
シリンジポンプ TE-351
人工呼吸器 ハミルトンC1
人工呼吸器 e-360
機器管理システム HOSMA
高気圧酸素療法業務
当院では第1種装置を1台保有しており、主に放射線性膀胱炎、脳梗塞、突発性難聴、スポーツ外傷などについて治療を行っています。
高気圧酸素療法に関する臨床工学技士の主な業務
- 1. 高気圧酸素治療装置の加圧及び減圧操作
- 2. 臨床中のバイタルチェック
- 3. 定期点検
セクリスト社製高気圧酸素治療装置 Model 2800HJ