今、先進国の多くが高齢時代を迎えています。我が国日本においては、もう既に世界でも例をみない超高齢時代へと突入しています。口腔ケアについては、近年、誤嚥性肺炎の発症と口腔衛生状態との関連が示唆されるようになってから、口腔ケアが注目されるようになり、現在では口腔ケアが肺炎の予防、ADL QOLの向上に重要であると広く認識されてきております。病院、老人施設においても、口腔ケアを重点的に施行している所が多くなりました。
当院の口腔外科は、平成27年4月より歯科医師と歯科衛生士による病棟口腔ケア回診を行っています。そして病院全体の口腔ケアの質が保たれる基準を満たし、良質な専門的口腔ケアが適正に実施されていると認められました。その結果茨城県で初めて、日本口腔ケア学会の定める「口腔ケア認定施設」を平成28年4月1日に取得しました。
また、同年6月より、緩和ケア病棟の入院患者に対し、周術期口腔ケア回診を開始しました。関連介護老人施設(ゆうあい ふれあい)の口腔ケアは平成22年から開始し、今年(※2023年現在)で13年目を迎えました。更なる口腔管理が十分行き届いた質の高い病院作りを行っていきたいと思います。
口腔ケアとは
お口の中のお掃除、お手入れの事で、歯を磨く事だけではなく歯肉、粘膜のマッサージなどお口の中のケア全体を言います。皆様が毎日行っている歯磨きやうがいと、歯科医院などでの専門的口腔ケア、歯石除去、フッ素化合物の塗布、義歯の手入れ、嚥下訓練や 口腔機能リハビリ、そして言語訓練までを含めて口腔ケアと言われております。
口腔ケアの効果
- ・口腔衛生の意識向上
- ・口腔疾患(虫歯、歯周病、口腔粘膜疾患)の予防
- ・感染予防、誤嚥性肺炎、不顕性肺炎の予防
- ・口腔機能の維持・回復
- ・咀嚼機能の改善
- ・摂食・嚥下障害の改善
- ・口腔粘膜の感覚機能の改善(味覚、触覚、温度感覚などの改善)
- ・コミュニケーションの回復
以上をあげることが出来ます。当院では、入院患者様の希望で病棟口腔管理(歯科衛生士による口腔ケア)を行っています。希望されるかたは病棟看護師または歯科口腔外科までお問い合わせください。