歯科口腔外科

口腔機能管理について

超高齢社会に突入した我が国では、高齢者の救命、延命、ならびに健康回復、増進に向けて歯科医療の在り方が大きく変わってきました。国民の健康長寿の実現に向けて、歯科医療の専門性の確立と共に多職種連携が求められています。

「口腔ケア」は医療の現場では広く普及しており、近年口腔機能と全身機能の関係性が明らかになり、口腔機能低下症の概念が提案され、口腔の健康から全身の健康への貢献が期待されています。従来の器質的口腔ケアである「口腔衛生管理」と機能的口腔ケアである「口腔機能管理」を包含して「口腔健康管理」として当科は実践しています。虫歯の治療や歯周病の治療のみならず「舌」「顎」の機能、「飲み込む」機能といった生活の上で必要となる「食べる」事に焦点を置く管理を指します。

なぜ、歯医者に掛からないといけない?目的は2つあります

1. 合併症の予防

お口の中は細菌の塊であり糞便中より細菌の数が多く、その細菌の塊だらけの口の中から肺に呼吸の管を通したり(手術時)食べ物や飲み物と一緒にむせこんだり(誤嚥)すると肺炎を起こすリスクが上昇し、その結果入院日数の延長や、術後回復の遅延、医療費の増加が考えられます。

2. 口腔有害事象の予防と機能改善

入院中は自宅と環境が違う事で様々な有害事象が引き起こされます。体調が悪く口内炎が出来た、入院で痩せて入れ歯が合わなくなった、口が渇いてうまく飲み込めない等訴えは多岐にわたりますが、その結果食事(栄養摂取)が不十分であり、体力が付かずリハビリが上手くいかず、ますます痩せて入院が長期化するといった事が考えられます。

当院は全入院患者に対し「口腔機能管理」の徹底を行っています

歯科医師と歯科衛生士、認定看護師による病棟口腔ケア回診及び、緩和ケア病棟の入院患者に対し、周術期口腔ケア回診を行っております。また関連介護老人施設(ゆうあい ふれあい)の口腔ケアを平成22年から開始し、今年(2023年現在)で13年目を迎えました。

当科の全スタッフは、日本口腔ケア学会認定資格、日本有病者歯科医療学会認定資格を所持しており質の高い口腔機能管理を提供することが出来ます。そして病院全体の口腔ケアの質が保たれる基準を満たし、良質な専門的口腔ケアが適正に実施されていると認められました。その結果茨城県で初めて、日本口腔ケア学会の定める「口腔ケア認定施設」を平成28年4月1日に取得しました。

更なる行き届いた質の高い歯科治療をスタッフ一同全力で行ってまいります。ご気軽にご相談下さい。